傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やけがのために会社を休み、事業主から報酬が受けられない場合に支給されます。
支給要件
(1) | 業務外の病気やけがで療養していることから、仕事に就くことができずに休んでいること |
---|---|
(2) | 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと |
(3) | 休業した期間について給与の支払いがないこと |
支給金額
1日につき、 標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給されます。
休業した期間に対して、通勤手当等の一部給与の支払いがあった場合は、傷病手当金との差額が支給されます。
申請手続き
「健康保険傷病手当金支給申請書」に、事業主の証明と医師の意見書を受けて、協会けんぽ東京支部へ提出してください。
〈添付書類〉
・ | 初回申請時には、申請期間およびその期間前1か月分の「賃金台帳」および「出勤簿」のコピー |
---|---|
・ | 障害厚生年金・障害手当金を受給している場合は、「年金証書」、「年金額改定通知書」等のコピー |
・ | 資格喪失後の継続給付を申請する方で老齢年金を受給している場合は、「年金証書」、「年金額改定通知書」 |
・ | 負傷した原因が第三者によるものの場合は、「第三者行為による傷病届」 |
事業所担当者の方へのお願い
「健康保険傷病手当金支給申請書」の事業主証明欄の記入を求められた場合は、すみやかに証明をお願いします。また、給与を支給した賃金内訳欄には、日給/時間給/欠勤控除等の計算方法をできるだけ詳しく記入してください。ご協力をお願いします。
ポイント
退職等で健康保険の加入資格を喪失した後でも、給付を受けられる場合があります。(下記の Q9 を参照)
よくある質問
Q1 | 標準報酬月額が28万円で、傷病手当金を平成26年5月1日〜5月31日の31日間申請した場合、支給額はいくらですか?(給与の支払いがまったくなかった場合) |
---|---|
A1 | 【計算方法】 標準報酬月額28万円の方の標準報酬日額の3分の2は、 6,220円(=1日当たりの給付額)となります。 6,220円×(31日-3日(待期期間))=174,160円が支給されます。 |
Q2 | 傷病手当金はいつまで支給されるのですか? |
A2 | 同一の傷病(関連傷病を含みます。)について、支給を開始した日から最長1年6か月間です。この1年6か月間は暦のうえで計算した期間であって、実際に受給できる期間ではありません。例えば、途中で復職し受給していない期間があっても、支給開始日から1年6か月後に受給期間が満了します。 |
Q3 | 申請期限はありますか? |
A3 | 療養のため労務不能となった日ごとにその翌日から2年を経過すると、時効により申請できなくなります。早めの申請をお願いします。 |
Q4 | 支給要件の (2)「連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと」とは、具体的にどういう意味ですか? |
A4 | 傷病手当金は、療養のため労務不能となった日から最初の連続する3日間は支給されず、4日目以降から支給されます。この連続する3日間を待期期間といいます。下図の下段 (B) のように連続する3日間がなく、待期期間が完成しない場合は、傷病手当金は支給されません。なお、申請する際は、待期期間を含めて申請してください。 |
Q5 | 待期期間は、公休日や有給休暇を取得した日でもよいのですか? |
A5 | 療養のため労務不能と認められる期間内であれば、公休日や有給休暇を取得した日でも待期期間に算入することができます。例えば、休み始めた当初3日間を有給休暇とし、4日目以降を欠勤扱いにすることも差し支えありません。 |
Q6 | 病気療養のため、会社を長期間休むことになりました。どのようなサイクルで傷病手当金を申請するのがよいですか? |
A6 | 傷病手当金の申請は、給与の支払いの有無について事業主の証明が必要になります。1か月単位で給与の締切日ごとに申請されることをお勧めします。 |
Q7 | 傷病手当金は、申請すれば必ず支給されるのですか? |
A7 | 申請されるごとに内容を審査したうえで支給決定を行います。申請書の内容から、療養のため労務不能と認めることができない場合や、支給開始日から1年6か月間を超えた申請等、要件に該当せず、支給されない場合もあります。 |
Q8 | 傷病手当金の申請をしました。その後、結果についてのお知らせは届きますか? |
A8 | 協会けんぽ東京支部で内容を審査した結果、支給できる場合は、「支給決定通知書」をご自宅にお送りします。なお、何らかの理由で支給できない場合は、理由を記した「不支給決定通知書」をお送りします。 |
資格喪失後の継続給付
Q9 | 傷病手当金を受給していましたが、会社を退職することになりました。引き続き療養のため労務に就くことができません。退職後の期間についても、傷病手当金を申請できますか? |
---|---|
A9 | 次の2点を満たしていて、退職後も引き続き労務不能である場合は、傷病手当金を申請することができます。 ・退職日までに継続して1年以上の加入期間(任意継続被保険者の期間を除きます。)があること。 ・退職日に傷病手当金を受給しているか、受給できる要件を満たしていること。また、退職日に出勤していないこと。 |
Q10 | 退職後も健康保険を任意継続すれば、引き続き傷病手当金の申請ができるのですか? |
A10 | 健康保険の任意継続には、傷病手当金の制度はありません。退職後は、国民健康保険等、どの健康保険制度に加入しても、上記 A9 の要件を満たしていれば、引き続き申請することができます。 |
他の給付を受けていると、傷病手当金の支給額が調整されます
(1) 同一の傷病(関連傷病を含みます。)による障害厚生年金や障害手当金が支給されるとき
傷病手当金は支給されません。ただし、障害厚生年金等の日額が傷病手当金の給付日額より少ない場合は、その差額が支給されます。また、障害手当金の場合は、その支給を受けた日以降の傷病手当金の合計額が障害手当金の額に達するまで、傷病手当金は支給されません。
(2) 老齢年金等が支給されるとき
退職後の傷病手当金(資格喪失後の継続給付)を受給している方に、老齢厚生年金、老齢基礎年金、退職共済年金等が支給される場合(さかのぼって支給される場合を含みます。)は、傷病手当金は支給されません。ただし、老齢年金等の日額が傷病手当金の給付日額より少ない場合は、その差額が支給されます。
(3) 出産手当金が支給されるとき
出産手当金が優先されます。出産手当金を受給している間は、傷病手当金の支給は停止されます。
(4) ハローワークの失業手当を申請するとき
失業手当を申請するということは、いつでも働ける状態であると考えられるため、傷病手当金は申請できません。
申請書の入手方法
協会けんぽ東京支部ホームページからダウンロードできます。
郵送先
〒164-8540 東京都中野区中野4-10-2
中野セントラルパークサウス7階
全国健康保険協会東京支部
「〒164-8540」を記載いただければ、
郵便の場合に住所の記入を省略することができます。
●協会けんぽ以外の健康保険に加入されている方は、各保険者(健康保険組合等)にお問い合わせください。
このページの記事の内容に関するお問い合わせは、
協会けんぽ東京支部(TEL 03-6853-6111)まで