被保険者が事業所から受ける報酬は、昇(降)給等で変動することがあります。被保険者が実際に受ける報酬と決定されている標準報酬月額とが大きくかけ離れないように、すべての被保険者に対し、毎年1回、その年の9月から翌年の8月までの標準報酬月額を決め直すこととされています。これを定時決定といいます。
対象範囲
定時決定の対象となるのは、7月1日現在の被保険者すべてです。
ただし、次の(1)〜(3)のいずれかに該当する方は対象外となります。
(1) | 6月1日以降に被保険者となった方 |
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(2) | 6月30日以前に退職(資格喪失日が7月1日以前)した方 |
(3) | 7月から9月までのいずれかの月に随時改定または育児休業等(産前産後休業を含む)を終了した際の改定が行われる方 |
■資格取得・随時改定等の時点による定時決定との関係
資格取得・随時改定等の時点 | 適用期間 | その年の定時決定との 関係 |
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資格取得 | 1月1日〜5月31日 | 当年8月31日まで適用 | 定時決定の対象となる |
6月1日〜7月1日 | 翌年8月31日まで適用 | 定時決定の対象外 | |
7月2日〜12月31日 | 翌年8月31日まで適用 | 定時決定の対象外 | |
随時改定 | 1月〜6月 | 当年8月31日まで適用 | 定時決定の対象となる |
7月〜9月 | 翌年8月31日まで適用 | 定時決定の対象外 | |
10月〜12月 | 翌年8月31日まで適用 | 定時決定の対象となる |
標準報酬月額の算出方法
4月・5月・6月の3か月のうち、支払基礎日数が17日以上あった月に実際に支給された報酬総額を対象月数で割ることにより算出します。
*支払基礎日数とは……報酬の支払い対象となった日数のこと。月給者については、各月の歴日数が基本となります。欠勤日数に応じて給与が差し引かれている場合等は、就業規則や給与規定等に基づき、事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数となります。日給者については、各月の出勤日数となります。
例 4月に途中入社した場合
途中入社した月に1か月分の給与が支給されていない場合、入社の翌月からが算定対象月となります。
短時間就労者(パートタイマー等)の取り扱い
支払基礎日数によって、次のいずれかで算定します。
支払基礎日数 | 算定方法 | |
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(1) | 3か月とも17日以上ある場合 | 3か月の報酬月額の平均額 |
(2) | 1か月でも17日以上ある場合 | 17日以上ある月の報酬月額の平均額 |
(3) | 3か月とも15日以上17日未満の場合 | 3か月の報酬月額の平均額 |
(4) | 1か月または2か月は15日以上17日未満の場合((2)を除く) | 15日以上17日未満の月の報酬月額の平均額 |
(5) | 3か月とも15日未満の場合 | 従前の標準報酬月額 |
保険者算定
一般的な方法によって報酬月額が算定できない場合や算定結果が著しく不当になる場合は、保険者が特別な算定方法により、報酬月額を算定します。
例 (1) 一般的な方法で算定できない場合
● 4月・5月・6月の3か月とも、支払基礎日数が17日未満(短時間就労者については、15日未満)
● 病気等による欠勤、育児休業や介護休業等で、4月・5月・6月の3か月に報酬をまったく受けていない
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いずれの場合も、従前の標準報酬月額で決定
例 (2) 一般的な方法で算定すると著しく不当になる場合
● 4月・5月・6月のいずれかの月の給与が7月以降に支払われる
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7月以降に支払われる月を除いた報酬月額の平均額により算定
● 低額の休職給(病気などによる休職)を受けた
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休職給を受けた月を除いた報酬月額の平均額により算定
*保険者算定については、上記以外にもさまざまなケースがあります。詳しくは年金事務所にてご確認ください。
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