社会保険新報 平成26年3月号

社会保険新報2014年3月号表紙

2014年3月号

目黒川沿いの桜
(目黒区目黒)

コラム東西南北 桃の節句 我が家の雛人形

編集委員 宗形 陽子

お正月・節分も過ぎ、3月といえば桃の節句「ひな祭り」があります。

我が家のひな祭りは、20数年前に娘が生まれたときから始まりました。娘は2月生まれだったので、最初のひな祭りは病院で入院中でした。

2年目のひな祭りは、父親が交通事故で入院中のためお雛様を買いに行けず、哀れに思った私の母が小さな瀬戸物の可愛いお雛様を用意してくれました。桃の花と菜の花を飾り、ちらしずしとハマグリのお吸いもの、ひなあられでひな祭りの歌を歌いながら2人だけでお祝いしたのを思い出します。

3年目のひな祭りには、やっとお雛様を買いに行くことができました。近くにお雛様の展示会場があったので見に行きました。昔ながらの豪華な段飾りのお人形や、そのころから流行り始めた省スペースのお内裏様とお雛様だけのきらびやかな飾りのお人形さんやらたくさんあり、どれを選んでいいのか迷ったすえに、畳半畳も占領する三人官女がいる3段飾りの雛人形を購入しました。

届いてからすぐに飾りつけ、子どもが寝た後、一人でじっくりと観賞していました。ところが三人官女をじぃ―と見ていると、なんだか変! えっ、真ん中に座っているお人形さんのまゆ毛の色が他の2体に比べて薄い! 私の気のせい? 不良品? 何となく不吉? 何なの? 情けないことに心臓がバクバクしてきました。

早速、購入先に電話を入れて説明したところ、調べて電話をかけ直すとのことでした。不安な気持ちのまま待っていると、女性の担当者から電話がありました。

「三人官女の真ん中の人は、老女なのでまゆ毛が薄く描かれているのです」
あっ、そうなの…。お礼を言って電話を切りました。そんなの今まで聞いたこともない。私自身、3人姉妹の次女なので、自分を真ん中のお人形さんになぞっていた気持ちがあり、"老女"の位置づけに少しショックを受けました。それからはお店や保育園に飾られているお雛様を見るたびに、必ず三人官女のお人形の顔はチェックするようになりました。

子どもたちが小さかったころは、毎年雛人形を飾りお祝いしていましたが、いつのころからか大きな雛人形は飾らなくなり、小さな雛人形だけになりました。昨年はクリーニング屋さんの奥さんが作ってくれた折り紙の雛人形だけになってしまいました。

少しさみしいです。下の娘が20歳になるまでは飾ろうと思います。ちらしずしも作ってひな祭りをお祝いしましょう。


財団法人 東京社会保険協会:東京都新宿区新宿 7-26-9 TEL 03-3204-8877(大代表)

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