社会保険新報 平成26年4月号

社会保険新報2014年4月号表紙

2014年4月号

国営昭和記念公園
(立川市緑町)

コラム東西南北 社会保険委員会報『かたかご』のこと

編集委員 阿部 敬子

私が参加しておりました社会保険委員会の会報『かたかご』は、社会保険委員会(現在は年金委員会)発足10周年を記念して、11年目を迎えた年に創刊されました。発刊は年2回で、夏と冬の予定でした。

会報の愛称『かたかご』は、カタクリの古い呼び名です。社会保険事務所の近くにある、びくに公園(練馬区)の清水山憩いの森に、毎年4月、可憐な花が一面に咲く自生地があることから、採用されたとのことでした。また、万葉集の中の「もののふの 八十(やそ)をとめ等(少女ら)が 汲みまがう 寺井の上の 堅香子(かたくり)の花」も、創刊号に記してありました。とっても素敵な響きで、当時委員会ではこの『かたかご』に大賛成でした。委員会の活動状況やさまざまな情報を委員の皆様にお知らせすると同時に、委員同士の親睦がとてもはかられたと思います。

内容は、代議員会の報告、施設見学会(当時は大勢の参加者がいて、楽しみな研修会でした)、業務シリーズQ&A、社会保険事務所所長と委員会会長の年頭の挨拶、委員会役員および編集委員の紹介、事務所からのお知らせ、ユニークな健康一口メモ(私はこの記事を楽しみにしておりました)では "みそ汁は不老長寿の薬・早寝早起き病知らず・早起きはストレス解消の妙薬・こんにゃくは体の砂払い" 等々、ここに記しておきたい一口メモばかりでした。

また、委員会活動功労者の表彰、感謝状受賞者の声、街頭相談所での声、そして、委員の会社訪問のコーナーでは、委員の会社での活動や方針、趣味と健康について等々、会社を紹介するとともに委員の人となりがわかり、その後の会合での話題づくりになりました。

私も、2001年1月から編集委員会に参画させていただきました。1回の発刊に向け、3〜4回の編集会議が行われました。4〜5人での編集会議は、顔を突き合わせて、喧々諤々と意見が分かれるときもあれば、簡単に決まるときもあり、今思い返すと、厳しい中にも楽しい思い出となっております。

 表紙の写真(施設見学会の笑顔・天狗・山・花など)の選考、前会長の(故)飯塚守様の12か月の季節のお話と俳句は、とても興味ひかれる文章でした。300〜400字の編集後記は、交代制で自由に書かせていただきました。このような記事もありました。「輝かしい二十一世紀の幕開けです。百年に一度しか味わえない新世紀の始まりで、千年に一度しか経験することができないミレニアム(千年紀)でもあります……」

それから9年後、社会保険委員会の閉会とともに、『かたかご』も惜しまれつつ閉刊になりました。最終号(第31号)の表紙は、咲き始めた頃のカタクリの花。編集後記には、「政権交代により与党となった民主党の健闘ぶりが、連日のニュースを賑わせております。社会保険庁の廃止により日本年金機構が発足、社会保険委員も年金委員としての活動に移行することとなりました。当社会保険委員会に咲いた会報誌『かたかご』も、誠に残念なことに今回をもって最終号となりました。平成6年7月に創刊してより今回31号まで15年間にわたってご愛読、ご寄稿いただき、心から感謝申し上げます。その響きがカタクリの花のイメージを膨らませてくれる『かたかご』……その名前にふさわしく可愛い小冊子です。……皆様、本当にありがとうございました。……皆様方のご健勝とご発展を心からお祈りいたします。(編集委員一同)」

翌年、年金委員会が発足し、委員の顔ぶれもほとんど一緒ですが、会報誌がなくなり、委員間のコミュニケーションも希薄になったように感じる今日この頃です。文字の力は目に見えないところで威力を発揮していました。『かたかご』が、年金委員会会報として再創刊することを望んでいます。


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