編集委員 小林 司
21世紀が始まり、14年が経過しました。50年前、子どもの私が思っていたのとは違う21世紀が展開しています。東京スカイツリーや高層マンションなど、高いビルが立ち並んでいますが、当時想像していた空中都市とはかけ離れています。とはいっても、いろいろなものが50年の間に進歩しています。
ハイブリッド車や電気自動車が登場して、ガソリンをそれほど使わなくてもよくなりました。また、ナビゲーション・システムや自動ブレーキ、車線をはみ出さないで走れる装置ができ、いずれ目的地を入力すれば、寝ていても目的地に最短最速で連れて行ってくれる車が販売されるようになるかもしれません。すでに実用化されているのかもしれません。
電話も50年前の黒電話からとても進歩しました。ショルダーバッグのようだった携帯電話が、あっという間に小さくなり、カメラが付き、テレビを見たり、音楽を聴いたりできるようになりました。また、GPSにより目的地まで案内してくれる機能も付きました。
最近のスマートフォンは、話しかけると答えてくれる機能が付いているそうです。また、LINEが盛んなようですが、いじめや事件の原因にもなってしまっているようです。私が学生のころは、好きな女の子に家の電話番号を聞いて、冬の寒い夜に10円玉を握りしめ、近所の公園まで走って行き、お父さんが出ないことを心の中で祈りながら、公衆電話ボックスでダイヤルしたものでした。
車の運転が自動になれば、交通事故はなくなるかもしれません。しかし、他の車との譲り合いのような人間的で温かな触れ合いはなくなってしまいそうです。LINEやインターネットも便利ですが、ちょっとした一言が世界中の人たちに流れてしまい、世界中から反論されることもあります。そこには誤解もあるかと思いますが、世界中のお会いしたことのない人たちの誤解を解くことはとても難しいことです。
世の中が便利になっていくことは非常にうれしいことですが、人と人の一対一のコミュニケーションを懐かしく思うおじさんは、頑張ってガラケーを使い続けようと思っています。