社会保険新報 平成27年5月号

社会保険新報2015年5月号表紙

2015年5月号

表参道ヒルズと街並み
(渋谷区神宮前)

【コラム東西南北】まだまだ現役です?

編集委員 亀井 一司

イラスト:東西南北

最近のテレビコマーシャルに、桃太郎・浦島太郎・金太郎の3人が仲よく登場し、新しい場面では、かぐや姫まで登場している。

「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけたきび団子、一つ私にくださいな」と鬼退治について行き、めざましい活躍をしたのは、ご存じ、犬・猿・キジの面々。話は中国の説法が日本に伝わったもので、中国では、犬は「仁」、猿は「知恵」、キジは「勇気」を意味しているそうだが、経営コンサルタントのある人によれば、お供の3匹は、企業活動に不可欠な3つの働き「情報」「企画」「行動」を意味しているとか。キジが空を飛んで集めた鬼ヶ島の「情報」をもとに、猿が戦法を「企画」、犬が走り回って「行動」に移すというのが、組織運営の役割分担として最適であったというわけだ。そして、桃太郎が「判断・指示」を下す役となれば、これはもう立派な会社組織。給料はきび団子だが、どの役割も仕事には不可欠な要素。やはり、適材適所が会社運営の秘訣だろうか。

ゴールデンウィークが終わり、新入社員の皆さんも、少しは社会生活に慣れ始め、期待とともに毎日緊張して、そろそろストレスも蓄積される頃と思う。ビジネスパーソンの生活にストレスは付き物。これをどう解消できるかで、ライバルとの差がつく。ストレスの予防・解消に効果的なのが、休息(レスト)・レクリエーション・リラクゼーションの3R。赤ちょうちんで上司の悪口を言ってウサ晴らしをするよりは、適度のカラオケやワインを片手にカウンターのほうがちょいマシ。それよりも、仕事の後のスポーツジムや水泳で汗を流すのがよい。と言っても、私は"歳"のせいだろうか、少しでも早く眠りたい。

新しい分野の学問で、豊かさの尺度はGNP(国民総生産)や消費支出という経済生活ばかりではないと、「生活時間学」なるものが関心を集めているそうだ。「生活時間」についてはNHKの調査が有名だが、ゆとりある生活とは何かを、「生活時間」の観点から洗い直そうという狙いで、労働時間・家事時間・余暇時間・睡眠時間などから各都道府県で生活する人たちのライフスタイルを分析しようというのだ。いろいろと雑用が多い私には、「生活時間」なるものを、あらためて考える余裕もない。

人間の身体が徐々に老化するように、脳も老化するそうで、20歳を過ぎると脳細胞は1日に10万個ずつアウトになるという。本人がこれに気づくのは、記憶力の低下である。「近頃、物覚えが悪くなって…」と誰でも感じることなのだ。

記憶は、インプット(入力)ーメンテナンス(維持)ーアウトプット(出力)の3つから成り立っている。歳をとって脳が老化した場合、この3つのうち一番衰えるのは、アウトプット。今あったことを忘れたり、最近、人の名前を思い出せずにイライラモヤモヤすることが多くなった。私の脳はどの程度がアウトになってきているのだろうか…。


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