退職後に厚生年金保険の適用事業所に再就職する場合は、引き続き厚生年金保険に加入しますが、それ以外の20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入するための手続きが必要です。また、扶養されていた60歳未満の配偶者(夫または妻)についても、同様の手続きが必要となります。代表的な3つのケースについて解説します。
CASE 1 厚生年金保険の適用事業所に再就職する
厚生年金保険の適用事業所に再就職する方の手続きは、事業主が行います。
届出書 | 「厚生年金保険被保険者資格取得届」 |
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提出期限 | 再就職日から5日以内 |
保険料
標準報酬月額・標準賞与額に保険料率を乗じた額を、本人と事業主が折半で負担します。
留意事項
●パート等の短時間勤務者の加入の要件
厚生年金保険には、1日または1週間の勤務時間と1か月の勤務日数のそれぞれが、同様の業務を行う正社員と比べておおむね4分の3以上の場合には、正社員でなくても加入することとなります。
●退職後に継続して再雇用された方の手続き
60歳以上の方が退職後も同一の適用事業所に継続して再雇用される場合、事業主が「厚生年金保険被保険者資格喪失届」と「厚生年金保険被保険者資格取得届」を同時に提出することにより、随時改定を行うことなく、再雇用された月から再雇用後の報酬で標準報酬月額を決定することができます。この標準報酬月額に応じて、在職老齢年金の額が見直されます。手続きには、次の添付書類が必要です。
[添付書類]
● 就業規則、退職辞令の写しなど、退職したことがわかる書類
● 継続して再雇用されたことがわかる「雇用契約書」(写)
CASE 2 国民年金第1号被保険者となる
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満で、厚生年金保険や共済組合に加入している被保険者(第2号被保険者)およびその被扶養配偶者(第3号被保険者)以外の方は、すべて国民年金の第1号被保険者となります。
(注)第2号被保険者が退職し、その被扶養配偶者が第3号被保険者に該当しなくなった場合にも、手続きが必要です。
加入の手続き | 住所地の市区役所または町村役場 |
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提出者 | 本人または世帯主 |
提出期限 | 退職日の翌日から14日以内 |
保険料 月額15,590円(平成27年度)を納付します。
●付加保険料
付加保険料(月額400円)を納付すると、将来受け取る老齢基礎年金とあわせて付加年金が受けられます。付加年金の年金額は、200円×納付月数で計算されます。ただし、国民年金保険料を免除されている方や国民年金基金に加入している方は、付加保険料を納められません。
●前納・早割制度
あらかじめ一定期間分(原則として半年間または1年間)の国民年金保険料を一括して納付すると国民年金保険料が割引になる前納制度、口座振替で納付すると国民年金保険料が割引になる早割制度があります。口座振替の場合、2年間の前納制度もあります。
国民年金保険料の納付が困難な場合は、免除制度(法定免除、申請免除)があります。失業による退職で国民年金保険料の納付が困難な場合には、失業を理由として国民年金保険料の免除申請をすることができます。
CASE 3 国民年金第3号被保険者となる
厚生年金保険や共済組合に加入している被保険者(65歳以上70歳未満で老齢または退職を支給事由とする年金の受給権を有する方は除きます。)に扶養される20歳以上60歳未満の被扶養配偶者は、国民年金の第3号被保険者となります。
(注)所得税法の規定による控除対象配偶者となっている方は、事業主の証明により、収入の確認のための書類の添付を省略できます。
届出書 | 「国民年金第3号被保険者関係届出書」 |
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提出期限 | 被扶養配偶者に該当した日から14日以内 |
認定基準 | 年収が130万円未満であること等 |
添付書類 | 収入の確認のための書類(「非課税証明書」等)、「年金手帳」または「基礎年金番号通知書」 |
保険料
個別の保険料負担はありません。配偶者が加入している厚生年金保険や共済組合から拠出されます。
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(http://www.nenkin.go.jp/section/soudan/)まで