社会保険新報 平成29年1月号

社会保険新報2017年1月号表紙

2017年1月号

高松張子(香川県)

年頭のごあいさつ

財団法人東京社会保険協会会長 猿渡 智

新年おめでとうございます。

会員事業所の皆様をはじめ、『社会保険新報』をご愛読の皆様方には、希望に満ちた新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年は本会設立70周年、フィオーレ健診クリニック開設10周年という節目の年でありましたが、各種の事業運営に多大なご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。おかげさまをもちまして、各事業とも順調に推移しており、周年に続く未来の年への第一歩を踏み出したところでございます。

さて、わが国の社会保障制度を取り巻く環境は、ますます厳しさを増している情勢にあります。少子高齢化の進展、人口減少社会が現実化している中で、高齢者の医療・介護の問題、年金をめぐる現役世代と受給者世代の公平性の確保、各制度を運営する財源の問題など、解決すべき課題は枚挙に暇がありません。

国においては、規制改革や成長戦略の推進、「一億総活躍社会」の実現に向けた各種の取り組みが行われていますが、これらの施策を通じて社会保障制度を安定化させ、国民が将来にわたり安心して暮らせる社会を実現させることが、景気の回復にもつながるものと期待するところであります。

本会は、会員事業所の皆様方から納付いただいた会費を財源に、最新の社会保険情報の発信ツール『社会保険新報』の配信や各種の事務講習会を通じて社会保険制度の周知・啓発活動を推進するとともに、会員事業所の皆様方の福利厚生事業を実施しているほか、フィオーレ健診クリニックにおいては、独立採算の健康診断事業を実施しております。

本年もこれらの事業の充実に努め、皆様方のお役に立てるよう取り組んでまいりますので、引き続き、ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

新年が皆様にとってより良い1年となりますよう祈念申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。

 

日本年金機構 南関東地域第一部長 森田章

新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

事業主並びに被保険者の皆様におかれましては、お健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。また、昨年中は公的年金事業の円滑な運営にご理解とご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。

日本年金機構におきましては、一昨年の「不正アクセスによる情報流出事案」を踏まえ、「日本年金機構再生プロジェクトの推進」「情報セキュリティ対策の強化」「基幹業務の推進」を重点事項に掲げ、平成28年度からの3か年を集中取組期間として、組織を挙げて計画的に取り組んでいるところです。

この「再生プロジェクト」は、組織改革、人事改革、業務改革および情報開示・共有の促進の4つの柱からなり、組織の一体化、現場重点主義の改革をコンセプトに、「年金制度の運営組織として高い倫理観と使命感をもち、国民から信頼される組織づくり」に向けて取り組んでまいります。ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

公的年金制度を取り巻く情勢につきましては、時代の変化に対応して制度を安定的に継続させるため、逐次、制度改正が行われておりますが、昨年は10月より「短時間労働者の適用拡大」が施行され、本年は「年金受給資格期間の短縮」が予定されております。現状では、老齢年金を受給するためには、国民年金、厚生年金保険、共済組合等の保険料納付済期間等が25年以上必要とされておりますが、この期間を10年以上に短縮するもので、該当される方は全国で約64万人と推計されております。日本年金機構におきましては、法律改正の円滑な施行に向けて万全を期してまいる所存です。

今後とも、公的年金業務の円滑かつ適切な運営に向け、全役職員が一丸となって邁進してまいります。東京社会保険協会並びに会員の皆様におかれましては、一層のご理解とご支援を賜りますよう重ねてお願いを申し上げます。

年頭にあたり、東京社会保険協会のますますのご発展と、会員の皆様のご多幸をお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

全国健康保険協会 東京支部支部長 矢内邦夫

『社会保険新報』をご覧の皆様、新年あけましておめでとうございます。

皆様方におかれましては、お健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。旧年中は協会けんぽ東京支部の円滑な事業運営に温かいご支援・ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。

私どもは、平成27年度から「健康優良企業を目指し、企業全体で健康づくりに取組むことを宣言する」という健康企業宣言をスタートさせ、昨年は、東京都をはじめとする全13団体で、健康企業宣言に関する協定を締結しました。

この協定で、協会けんぽ東京支部にご加入の事業所様だけでなく、東京都内の健康保険組合にご加入の事業所様も、同じ仕組みで健康企業宣言運動が展開できるという、保険者の枠組みを超えた環境を調えることができました。また、健康企業宣言を実施している事業所様へのインセンティブとして、健康企業宣言の趣旨にご賛同くださる企業様から融資時の金利や信用保証率の特別なご提案をいただくなど、徐々にではございますが、拡がりを見せてまいりました。今後も、健康企業宣言に取り組んでいただく事業所様を増やすべく、環境づくりを進めてまいります。

また、健診・保健指導の実施率の向上、ジェネリック医薬品の利用促進、健康保険の給付に関する審査やレセプト点検の強化に加え、慢性腎臓病(CKD)の重症化を防ぐため、医療機関を早期に受診するよう通知をお送りするなど、加入者の皆様の健康増進や医療費適正化に、引き続き本年も職員一同頑張ってまいる所存です。

新しい年が皆様方にとりまして幸多き年となりますようお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

『社会保険新報』編集委員長 真屋 尚生(日本大学教授・商学博士)

あけまして、おめでとうございます。

今年2017年の干支は丁酉(ていゆう・ひのととり)です。偶然とはいえ、丁酉の年には、社会保障発達史において忘れることができない大きな出来事が起こっています。

干支で一回り60年前の丁酉1957年には、日本国憲法第25条に明記された「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」と生活保護法の関係をめぐる朝日訴訟が提起され、その後の社会保障のあり方に多大な影響を及ぼすことになりました。

さらに60年さかのぼった丁酉1897年には、日本では伝染病予防法が制定され、海の向こうのイギリスでは、S & B ウエッブ夫妻が、その著『産業民主制論』で史上初の本格的な「ナショナル・ミニマム(国民的最低限)」論を展開しています。

ナショナル・ミニマムは、今日においても、しばしば社会保障のあり方に関わる最重要概念の一つとされますが、ウエッブ夫妻のナショナル・ミニマム論は非常に壮大で積極的な政策提言でした。夫妻は、「国民の能率」と「人道」の視点から、「賃金、安全、保健、医療、住宅、教育、余暇、休息」など、広範多岐にわたる分野におけるナショナル・ミニマムの確保の重要性を指摘しています。こうした広い視野からのナショナル・ミニマムの確保が社会の発展の土台となる、とした夫妻の発想は、21世紀の社会保障・社会保険のあり方を考えるうえで大変参考になります。

ナショナル・ミニマム120周年の今年は、社会保険が福祉の充実と経済の発展につながることを強く意識しながら、編集委員一同、社会保険に関連する「最新の情報を、迅速かつ正確に、どなたにも理解していただきやすい」かたちでお届けできるよう努めてまいります。

これまで同様、本誌をご愛読、ご活用くださいますようお願い申し上げます。


一般財団法人 東京社会保険協会
〒160-8407 東京都新宿区新宿7-26-9

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