被保険者の報酬が昇(降)給等による固定的賃金の変動に伴って大幅に変わったときは、「算定基礎届」による定時決定を待たずに、標準報酬月額を改定します。これを随時改定といい、その届出を「月額変更届」といいます。
①昇給または降給により、固定的賃金に変動があった。
②変動月からの3か月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含みます。)の平均月額に該当する標準報酬月額と従前の標準報酬月額との間に、2等級以上の差が生じた。
③変動月からの3か月間連続で、支払基礎日数が17日以上ある。
厚生年金保険における現在の標準報酬月額は、1等級(88,000円)から31等級(620,000円)までの31段階に分かれています。
固定的賃金の変動の具体的な内容 |
![]() ●昇給または降給 ●給与体系の変更(日給制から月給制への変更等) ●日給・時間給の基礎単価(日当・単価)の変更 ●請負給・歩合給等の単価や歩合率の変更 ●住宅手当・役付手当等の固定的な手当の追加や支給額の変更 |
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随時改定の対象にはならない場合 | ●固定的賃金は上がった(または同額)が、残業手当等の非固定的賃金が下がったため、変動後の引き続いた3か月間の報酬の平均月額に該当する標準報酬月額が従前より下がり、2等級以上の差が生じた場合。 ●固定的賃金は下がった(または同額)が、残業手当等の非固定的賃金が上がったため、変動後の引き続いた3か月間の報酬の平均月額に該当する標準報酬月額が従前より上がり、2等級以上の差が生じた場合。 |
標準報酬月額等級表の上限または下限にわたる等級変更 | 随時改定は、従前の等級と比較して2等級以上の差が生じることが条件ですが、標準報酬月額等級表の上限または下限にわたる等級変更の場合は、2等級以上の差が生じなくても随時改定の対象となることがあります。 |
固定的賃金:支給額や支給率が毎月一定である報酬【基本給、住宅手当、家族手当、通勤手当など】
非固定的賃金:支給額や支給率が毎月一定ではない報酬【残業手当、能力手当、皆勤手当など】
随時改定に該当した場合、固定的賃金が変動した月から起算して4か月目に新しい標準報酬月額に改定されます。改定された標準報酬月額は、改定月が1月から6月の場合はその年の8月まで、7月から12月の場合は翌年の8月まで適用されます。固定的賃金に再度変動があれば、そのつど随時改定の対象となります。
添付書類
改定月の初日(1日)が 受付年月日より60 日以上 さかのぼる場合 |
固定的賃金が変動した月の前月から改定月の前月までの賃金台帳の写しおよび固定的賃金が変動した月から改定月の前月までの出勤簿の写し |
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標準報酬月額を5等級以上 引き下げる場合 |
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役員等の場合 | 株主総会または取締役会の議事録、報酬決定通知書、報酬協議書等のいずれかの書類の写しおよび固定的賃金が変動した月の前月から改定月の前月までの所得税源泉徴収簿または賃金台帳の写し(出勤簿は不要) |
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